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「ん?少年が勇者だからに決まってんじゃん」
やっぱり。
あまり認めたくないが、目の前の針山とかゴキブリ魔王の殺気とか…諸々踏まえると冗談じゃないんだよなぁ~。
「だから、何を根拠にそうなるんだよ!」
とりあえず、あがいてみる。
「ん?護鬼噛が少年をKILLしようとしたのが根拠さっ!」
「さいですか…」
あがき失敗。
どうやっても鍼金からは論理的答えは帰って来そうにないな。
これなら、ゴキブリ魔王もとい護鬼噛がまた現れた時に奴に聞いた方が早そうだな。
あいつ、論理的な感じだったし。
「さて、時間もないし行く……グァッ!」
勇魔が一人決断付け学校へ行こうとすると、鍼金が襟首を掴んできた。
「な…何すん、だ…こ、殺す、気か…ぁ。」
勇魔が苦しい首を抑えながら息絶え絶えで抗議すると鍼金はキラキラした眼で勇魔を見て言った。
「少年!少年の通ってるガッコウの名前はっ!?」
うわぁ、今すごい嫌な寒気がした。
しかし、このままだと窒息死するので無視するわけにもいかない。
あ~もう、あんまり言いたくない校名なのにっ!
「りょ…凌辱(りょうじょく)高校…ぉ」
そこでやっと鍼金は勇魔のブレザーの襟首を離し、しばしの沈黙の後……
「……え~~と。エロゲー?」
「違うっ!!」
まぁ、確かにそんな感じの名前だけど……。
「じゃあな…。」
勇魔は思春期にあまり口にしたくない校名を言ったもんだから真っ赤になりつつ、学校へ向かいスタスタと歩きだすと…
「お~~い!少年!」
何だか後ろの方で鍼金がこちらを呼ぶので仕方なく振り向いた。
「あ?」
すると、鍼金はこちらを指差し声高々に言った。
「脚を出さない美学!!」
いや…意味解んねぇし。
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