4人が本棚に入れています
本棚に追加
話を少し夜が明ける前に戻す。
リルが変装をして町に出て行く。
しかし、兵士に見つかり、慌てて逃げる。
なるべく、人混みが激しい所を通り走る。
女性の足では、逃げるのに、限度がある。
ふと走るのを止め、顔を上げると、そこには宿が目に留まった。
急いで中に入り、カウンターにお金を置き、部屋にこもり、鍵を閉める。
一先ず隠れて、体を休める事にした。
そこには、ベットの上で横たわり、寝ている男性がいる。
横には大きな剣が立てかけてある。
どうやら慌てて入ったため、間違えて、人が借りてる部屋に入ったようだ。
実はこの宿、王妃の誕生際で、それを見にくる観光客で部屋は一つも空いていない。
それを言いに、宿の人が、リルを捜しに来た。
ちょうど、リルの隠れた部屋に訪ねてきた。
「コンコンッ!お休みの所失礼します。若い女性が入ってきませんでしたか?」
宿の亭主がドア越しに訪ねてきた。
リルが話そうとすると、後ろから口を塞がれる。
「ああ。すまない。俺の連れだ!ここで待ち合わせをしていたんだ!金なら置いたと思うが、足りなかったか?」
男性がリルの口を塞ぎ、喋る。
「そうでしたか。それは気が付かず申し訳ありません!ゆっくりお休みになってください!」
そう言うと亭主は下に降りていった。
下に降りていったことを確認し、手を話す。
「で…夜遅くに、忍び込んできたのは何のようだ?まさか盗みをしに来た訳ではないだろ。」
男性が椅子に腰をかけ、水を飲みながら問い掛ける。
「助けていただき、ありがとうございました。暫くしたら出ていきますので、それまでかくまって下さい!」
リルは素直に頼んだ。
「………」
男性は窓の外を見ながら考える。
「なる程、兵士達に追われているって事だな。てことは、あんた女王様か?」
「!!!」
リルは驚きを隠せず動揺をしていた。
「図星のようだな。何でって、顔にあるが、簡単な事だ。兵士達が必死になって捜したりするのは、その城の大切な人、物が無くなった時だ!ここから見る限りでは、王も王妃もいる。しかし娘の姿が無い。王妃の誕生際にもかかわらず、いないのはおかしな事だ」
男性はリルの顔を見て語りかける。
最初のコメントを投稿しよう!