4人が本棚に入れています
本棚に追加
「なる程、凄いですね」
リルは感心する。
「そんな事はどうでも良い。旅をしてれば自然と身に付くものだ」
男性は平然と言う。
「実は、城下町から出たことがないんです。城での生活に飽きて、外の世界を見に行きたいんです」
リルは説明し始めた。
「お願いです。ここにいる事は、黙っててもらえませんか?」
男性に頼み込む。
「端から、そんなのに言う気もねぇよ」
男性は手を振り答えた。
「ありがとうございます。」
リルは心のそこから感謝を述べる。
「で?これからどうするんだ?行く宛はあるのか?」
男性が訪ねる。
リルは首を横に振り、考え込む。
「あなたは、どちらに行かれるのですか?」
ふと思いつき、リルが聞き返す。
「とりあえず、金がなくなる前に、金を稼げる、依頼を捜してる」
男性もまた宛はなかった。
「では、これで、あなたの旅に同行させて頂けませんか?」
ヂャラっと鞄から、大きめの袋を男性の前に差し出す。
「ふむ。家が二、三件買える額だな。しかし俺と来ても楽ではないぞ?」
「良いんです。世界を見て回るのに一人だと、寂しいですから。それについて行くだけで、いろいろな景色を見ることができるでしょ?」
リルは嬉しそうに話す。
「今じゃ、外もモンスターで危険が一杯だ!いつ死んでもおかしくないんだぞ?」
男性はリルに問い掛ける。
「それでも………それでも、世界を見て回りたいんです!」
ごもりながらも、真っ直ぐに男性の目を見て話す。
暫く男性が考え込む。
「分かった。一緒に気な!それに王女の身でありながら、脱走してきた勇気に免じて、許可しよう。但し、ボディーガード代わりに、この金は預かるぞ」
「ありがとうございます。」
リルは嬉しそうに何度礼を言う。
「今日はもう遅いとりあえず寝な!俺はそこのソファーで寝るからよ」
そう言うと、男性はソファーの方に歩み、横になり眠りについた。
リルも心の中で感謝を述べ、ベットに横たわり、眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!