一章

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「なる程、凄いですね」 リルは感心する。 「そんな事はどうでも良い。旅をしてれば自然と身に付くものだ」 男性は平然と言う。 「実は、城下町から出たことがないんです。城での生活に飽きて、外の世界を見に行きたいんです」 リルは説明し始めた。 「お願いです。ここにいる事は、黙っててもらえませんか?」 男性に頼み込む。 「端から、そんなのに言う気もねぇよ」 男性は手を振り答えた。 「ありがとうございます。」 リルは心のそこから感謝を述べる。 「で?これからどうするんだ?行く宛はあるのか?」 男性が訪ねる。 リルは首を横に振り、考え込む。 「あなたは、どちらに行かれるのですか?」 ふと思いつき、リルが聞き返す。 「とりあえず、金がなくなる前に、金を稼げる、依頼を捜してる」 男性もまた宛はなかった。 「では、これで、あなたの旅に同行させて頂けませんか?」 ヂャラっと鞄から、大きめの袋を男性の前に差し出す。 「ふむ。家が二、三件買える額だな。しかし俺と来ても楽ではないぞ?」 「良いんです。世界を見て回るのに一人だと、寂しいですから。それについて行くだけで、いろいろな景色を見ることができるでしょ?」 リルは嬉しそうに話す。 「今じゃ、外もモンスターで危険が一杯だ!いつ死んでもおかしくないんだぞ?」 男性はリルに問い掛ける。 「それでも………それでも、世界を見て回りたいんです!」 ごもりながらも、真っ直ぐに男性の目を見て話す。 暫く男性が考え込む。 「分かった。一緒に気な!それに王女の身でありながら、脱走してきた勇気に免じて、許可しよう。但し、ボディーガード代わりに、この金は預かるぞ」 「ありがとうございます。」 リルは嬉しそうに何度礼を言う。 「今日はもう遅いとりあえず寝な!俺はそこのソファーで寝るからよ」 そう言うと、男性はソファーの方に歩み、横になり眠りについた。 リルも心の中で感謝を述べ、ベットに横たわり、眠りについた。
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