二章

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翌朝 二人が目を覚ます。 「コンコンッ!失礼します。朝食をお持ちしました。ドアの前に置いときますので、召し上がって下さい。」 宿の亭主が朝食を運んできた。 「ああ。すまない。頂く事にするよ。」 男性が起き上がり、朝食を中に運ぶ。 「ほれ、王女様、朝食だ。コーヒーまで付いてるぞ」 男性は冷やかすように、リルに話しかける。 「その呼び方は辞めてもらえませんか?私の事はリルとお呼び下さいな」 ニッコリとリルが自己紹介をする。 「そういや、お互い名乗ってなかったな。俺の名はジンだ!これからよろしくな!」 「はい。」 ジンの挨拶に元気に返事をする。 「あんまのんびり喰ってる暇は無いぞ。」 ジンは窓から外を見ながら、パンを食べる。 「やっぱり、追ってきますか?」 リルは不安そうに話す。 「まぁ大丈夫だろ。」 素っ気なくジンは返事をする。 「ガチャガチャッ!さて、食べ終わったようだな?これを羽織っておけ。」 食べ終わったリルに、バサッ、と羽織ってたマントを被せた。 「頭を隠せよ!」 ガチャッと剣を背負いこんで、出る準備をすます。 「さて準備は良いか?」 コクンと頷き、宿をでる。 町を出ようとすると、出入り口には兵士が見張っている。 ジンは関係なく堂々と町を出ようとする。 「まて!」 兵士に呼び止められる。 怪しまれたようだ。 「何だ?俺に指図する気か?あぁ?」 ジンは怒鳴り散らすのでは無く、静かに、怒った態度を示し話す。 「城の見張り無勢が、俺に指図するんじゃねぇ!」 ジンの言葉に、たじろむ兵士達。 「まぁまぁ。しょうがないじゃないか。今じゃお前を知る者も少なくなったんだから!」 ジンと同じくらいの歳の男が後ろから話しかけてくる。 「カルス隊長!」 兵士達は敬礼をし、固まる。 「カルス!久しいな。まだ護衛隊長なんかやってのか?つまらんな!」 「そう言うな、これでも楽しい事もあるさ!それにしても、派手に暴れてるみたいだな?」 「自分の思い通りに動いてるだけさ!」 「剣はまだ直らないのか?」 「ああ。どうも良い物質の物が無くてな!」 「そうか。戻る気は無いのか?」 「ああ。もうそこには戻らんよ!」 「そうか。分かった。もう行って良いぞ。呼び止めて悪かったな。」
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