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自分の持ってきた紅葉まんじゅうを頬張りながら、ママさんの紅茶を飲むのは至福だった。
「おいひぃー!」
「あはは。アキちゃんは、素直でかわいいなぁ」
パパさん。それ幻想だよ。
冷めたツッコミをしながらも、あたしはニッコリと笑った。
笑っておけば、大抵のことは許されると知ったのは、一体いつの話だったろう。
「うちにもね。息子が一人いるんだが……。これがまた、変わった子でねぇ……」
急に語られだした、パパさんの家庭内事情に、あたしはピクリと反応した。
『息子がいる』……じゃなくて、『変わった子でねぇ……』の部分に。
「息子さん? 何歳なの?」
「中2だよ」
「アキと一緒!」
あのデカさで同い年かよ。
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