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ハルは特に「嘘だ」とも、「すごいね」とも言わず、ただ、
「おもしろい子だね」
と、言って笑った。
顔がよく見えないので、笑っているのか、そうでないのかよくわからないが、声は笑みを含んでいた。
「ハル……あたしと友達になる？」
「なる」
即答かい。
「ハルは、人に心を開かないんじゃなかったの？」
「それは世間の、なんにもわかっちゃいないヤツにだよ」
「あたしだって、なんにもわかっちゃいないわよ」
「そんなことないよ」
「どうしてわかるのよ？」
「なんとなくだよ」
「……………」
あたしは、腰に手を当てて、鼻から息を吐いた。
「変なヤツ」
ハルは、期待を裏切らない、不可思議な男だった。
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