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「いーい? 友達なら、相手に自分を隠したらダメよ。そのマスクもサングラスも、取ってしまいなさい」
「なんでさ」
「顔が見えないからよ」
「僕の顔なんか、見たって楽しくない」
すねたように、プイッとそっぽを向くハル。
その態度にイラついたあたしは、ヤツに襲いかかった。
「えぇいッ! おもしろいか、おもしろくないかじゃないのよ! あたしが気に入らないの! 見せなさい! 見せろったらぁ~!」
「わあ! わかった、わかったよ……」
必死なあたしの剣幕に圧されたのか、ハルはしぶしぶとマスクを取った。
あらら。
意外に鼻筋の通った……
唇もふっくらしてて、綺麗な形。
続けて彼は、サングラスを取った。
「………………」
あたしは言葉を失った後、急いで彼の前髪を分けた。
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