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邪魔だった。
その長い前髪は、彼の瞳を覗くには邪魔だった。
「ハル……」
何故か、彼の名前を呟いたあたし。
まるで、ようやく今、初めてハルに出会ったように。
「アンタ綺麗よ……」
「は?」
「ハルって綺麗だわ! どうして、こんなに綺麗な顔の男がいるのっ? すごい、すごい!」
「なにを言ってるんだ、アキは……」
どうでもよさそうに、ハルは頭を掻いた。
その美貌をひけらかさないなんて、なんてもったいない。
「それを言うなら、アキだって可愛いよ」
「気休めでしょー?」
「僕は人を褒めない」
「~~~~……」
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