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『竜』
それは人間が生み出した架空の生き物。
しかし、この世には確かに存在していた。何百年も何千年も昔に…………
この世のどこかに…………
そして今、一人の少年に眠る竜の力が目覚める。
よく晴れた清々しい朝。
ある一軒家の一室で、目覚まし時計が耳を打つような喧(やかま)しい音を立てていた。
朝日が差し込むその部屋にはタンス・机・ベット以外、これといったものは無い。
そしてそのベットの上では、一人の少年が静かな寝息を立てていた。
未だに鳴り続ける目覚まし時計に、その少年の手がのびてく。
少年の手が時計の頭に触れると、辺りはようやく朝の静けさを取り戻した。
少年は上半身だけ起こすと、重そうな瞼(まぶた)を開け欠伸(あくび)をする。
ベットの上で、『う~ん』と背伸びをして、視線を左右に振る。
まだ完全に意識は覚醒していないようだ。
しばらくしてベットから降りると、タンスの中から制服を取り出し、それに身を包む。
着替え終えた少年は、部屋を後にした。
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