竜の末裔 第一章 日常

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『竜』  それは人間が生み出した架空の生き物。  しかし、この世には確かに存在していた。何百年も何千年も昔に…………  この世のどこかに…………  そして今、一人の少年に眠る竜の力が目覚める。  よく晴れた清々しい朝。  ある一軒家の一室で、目覚まし時計が耳を打つような喧(やかま)しい音を立てていた。  朝日が差し込むその部屋にはタンス・机・ベット以外、これといったものは無い。  そしてそのベットの上では、一人の少年が静かな寝息を立てていた。  未だに鳴り続ける目覚まし時計に、その少年の手がのびてく。  少年の手が時計の頭に触れると、辺りはようやく朝の静けさを取り戻した。  少年は上半身だけ起こすと、重そうな瞼(まぶた)を開け欠伸(あくび)をする。  ベットの上で、『う~ん』と背伸びをして、視線を左右に振る。  まだ完全に意識は覚醒していないようだ。  しばらくしてベットから降りると、タンスの中から制服を取り出し、それに身を包む。  着替え終えた少年は、部屋を後にした。
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