竜の末裔 第一章 日常

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 特に遅刻しそうな訳でも無いのだが、広昭の歩みはいつもより速かった。  今日から二学期が始まるため、気持ちが浮いてしまっているのだろう。  学校は嫌いではない、むしろ好きの部類に入る広昭にとっては、この日は待ち侘びた日でもあったのだ。 〔ふぅ~。なんだか清々しい朝だな~。今日は何かいい事があるかも〕  嬉しさのあまり、広昭の顔が自然と綻(ほころ)びる。  小鳥の囀(さえず)りも聞こえてきて、まるで広昭を迎えてくれているようだ。 〔なんだか入学式の日を思い出すな~〕  朝日のせいか、広昭はとても神秘的な輝きを見せていた。
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