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荷台にタスクを乗せた二輪車を、ラズリーが漕ぎ始めた頃。
セントリアの西門にひとりの人間がいた。
「まさかこんなところにいるとはな……」
手に数枚の羊皮紙持った人間が、門を見つめてぽつりと呟いた。
頭に"住民名簿"と書かれたその羊皮紙は、全てが横書きの人名で埋めつくされている。
「"タスク"と"ラズリー"……ようやく見つけたぞ……」
人間はその名の記された羊皮紙を撫でて、口はしを歪ませた。
「では、そろそろこれはお返しする」
呼びかけながら、門の脇に設置された入場許可所の窓口に住民名簿を差し出して、
「……と、忘れるところだったな」
人間は一度それを引っ込めた。
右手を、名簿の"タスク"と"ラズリー"の名が刻まれたその上にかざす。
すると、二つの名の文字が青く煌めきを放った。
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