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「……煽るなよ」
「む……おかしいなー、そんなつもりはなかったのにな」
ラズリーは首を捻って眉根を寄せた。
三つ目のリンゴは食べ終わっていた。
「まあ……仕方ないか。ラズリー、"あれ"よろしく」
ちょっと可哀想か気もするけどな、とタスクは苦笑して、
「りょーかーい」
とラズリーが頷いた。
ラズリーは胸ポケットから小指ほどの小さな木箱を取り出した。
長方形のそれの蓋をスライドさせて、収納してあった鈍色の細い針を一本だけ抜き取ると、再びポケットに戻す。
体を捻って後ろに向き直り、目線の先に二輪車を漕ぐ中年男性を捉えた。
親指、中指、人差し指の三本で針をはさみ、右手に針を構える。尖った先端は相手へ向けた。
狙いを定めたラズリーは、アーモンド型の瞳を細めてにっこりと微笑んで、
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