別れ

6/10
前へ
/144ページ
次へ
それは、完全にトラックの運転手のミス。猛スピードで曲がり道を曲がろうとして、ろくに注意をしなかったため、角にいたハルヒ達に気づかなかったのである。気づいて避けようとしたときにはもう遅く、ハルヒ達を巻き込む形で近所の家の壁に突っ込んだのである。 あまりに突然の出来事の後、事故現場から少し離れて、呆気に取られボーっと立ち尽くすハルヒがいた。 ハルヒは、奇跡的にかすり傷程度で済んだのである。 あの悲しい音を聞きつけて集まった近所の住民によって、安全のために現場から遠ざけられていた。 周りはすでに近所の住人の野次馬で溢れていた。ハルヒをよそに、事故現場では目まぐるしく状況が変化した。 ヒソヒソ何かを話す声。 お巡りさんの声。 レッカー車がトラックを動かす音。 救急車のサイレンの音…。 辺りは一瞬にして多くの音で溢れた。 ハルヒは、何が起こったのか事態を理解することができず、完全に置いてけぼりになっていた。
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加