親友

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それは、ハルヒが幼稚園のとき…。 「ハルヒちゃんの目、みんなと違うよ!変なの。」 その声を合図に、そこにいた子供達は、我先にとばかりにハルヒを覗きこんできた…。 「わぁ。本当だ!! ハルヒちゃんの目、気持ち悪い。」 「変な色。どうしたの?」 「先生っ!ハルヒちゃん病気なの?変だよ。」 子供は思ったことを、そのまま口に出してしまう…。 悪意の無いそれは、時に残酷なまでに人を傷つける…。 ハルヒへのその言葉も、もちろん悪意があってのものでなかったが、まだ幼かったハルヒにとってそれは、心に傷をつけるには十分な言葉であった。 私、変じゃないよ。病気でもない…。 なんでそんなこというの? そう言おうと何度も試みるが、ハルヒを囲んだ子供達は目の前の不思議なものに夢中でそれどころではなかった。 ハルヒの気持ちも分からず、子供達はハルヒを囲んでまるで珍しい生き物をみるような、怖いものをみるような、興味と恐怖が入り混じった表情でハルヒを見つめていた…。
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