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ヒック、ヒック…。グズッ。
幼稚園を飛び出してからどれくらい走ったのだろう…。ハルヒはいつも遊びに来る公園で泣いていた。ここは、怒られた時や嫌なことがあったとき、いつも逃げてくる場所でもあったから…。
お気に入りの、家をモチーフにした遊具の中に入り、端っこに小さくなって体を震わせながら涙を流していた…。
ガサッ。
気付くと、泣いているハルヒの目の前にとっても綺麗な黒ネコがいた。
その黒ネコは、銀色に輝く瞳をハルヒに向け、ジッと見つめていたかと思うと、彼女に近づき、頬を伝う涙をペロリと一舐めしたのである。
「…っ!?」
驚きのあまり、ハルヒは泣くのを辞めた…。というより、涙が止まってしまった。
「ネコちゃん、ハルヒのことキライじゃないの?怖くないの?」
ハルヒは黒ネコに向かって訪ねた。
黒ネコはそばに寄り添い、ハルヒの足元でジッと動かず、喉を鳴らしていた。
「クスッ」
ハルヒはそんなネコの様子を見て、笑顔が溢れた。
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