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栗色の少しクセのある髪、透き通るような真っ白な肌、何もかも燃え尽くす炎のような赤い瞳をもつ、顔立ちの整った細身の青年。
『綺麗だ。』
ネコの、ましてや男の子のギンが見てもそうつぶやき、見とれてしまうような美しさを持っていた。
「オイ、話聞いてんの?返事くらいしろよ。」
自分の問いかけに答えないギンに対してさらにイライラを増すその青年。
ギンはその青年の声で我に返った。
『返事って……。ってか、僕ネコだし。人間とは話せないよ……。』
ギンは困っていると、その青年は口元を歪ませ、笑いを堪えながら言った。
「人間とは話せないねぇ…(笑)」
『……っ!?
……な、なんだ?
なんで、この人僕の考えていることが分かるんだ?』
ギンは予想外のことに頭がパニックになり、青年をただ見つめて様子を伺っていた。
そんなギンの様子を見て、青年は「ハァ」っとため息をついて話し出す。
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