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「ってか、何度も言わせんなよ。ここどこだと思ってんの?さっきも言ったよね?
あんた死んでんの!
ここは天国っ!
人間とか動物とか関係ないから。あんたの言いたいこと、全てお見通し。」
『天国っ!?本当にあるんだ。ハルヒちゃんの読んでた絵本で見たことあったけど、まさか自分がくるなんてね…。』
僕は死んで、そしてここは天国。
やっぱり、もうハルヒちゃんには会えないんだね…。
会いたいよ…。
また、あの笑顔がみたい…。
頭を撫でて欲しい…。
名前を呼んでほしい…。
抱きしめてほしいよ…。
ギンは青年の言葉で自分の置かれている状況を理解するとともに、ハルヒちゃんに会えないことにショックを隠しきれないでいた。
それは、目を閉じ身動きせず、ただただショックに耐えようとするネコらしい表現で…。
そんなギンの様子を、青年は相変わらずただ見つめていた。悲しみとも、憐れみともつなかい、美しい静かな表情で…。
散々落ち込んだ後、ギンは青年の視線に気づき顔を向ける。
『そういえば、この人は一体何者なんだっ?ここは天国。ってことはもしかして…。』
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