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開けようとしてみたが窓は開かない。
破ろうと思い、力いっぱい叩いた。
-痛い痛い。何をするのよ
硝子が喋った
-出たいの。
-だったらそれなりの態度があるでしょうよ。
-どうするの?
-菓子箱の一つも持ってきて「出してくださいお願いします」って地面に頭こすりつけてお願いするのが普通だろ。それが何よお前は出会って早々殴りかかって来て。何なのお前はケンカ売りに来たの?
-開けて欲しかったの
-その前に言うことあんじゃないの、ねえ?
-ごめんなさい
-許さなーい出してあげなーい
-お願いします。
-第一お前逃がすと俺叱られちゃうんですよー。だから出せない。
-なんだ、あなたにお願いしても無駄だったんじゃないの
-あー、何その態度反省足りなーい。せっかく出してあげてもいいかなって気になってたのにー。
-叱られちゃうんじゃなかったの?
-そうだよ。でも俺なら出してあげられるのになぁ。ねぇねぇねぇ、ほら外!外はいいよ。鳥もさえずってるし。あぁ風がきもちいいなーぁ
-出して下さい。お願いします。
-俺目が無いから本気で言ってるのかわからないよ。壁に耳あり障子に目ありっていうだろ?だからホラホラホラ、俺耳しか無いのー。アハハッ、残念でしたー。
-貴方は人をからかうのが好きなのね
-そうだね、俺固体のようで固体じゃないから。非結晶物質だしね。悔しい?・・・ククッ
これ以上硝子にからかわれるのは耐えられない。
私は諦めて次の部屋を見ることにした。
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