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玄関には小さな板がかけてあった。
-おかえり
と書いてある。私はその板に話しかけた。
-どうして私はここにいるの?
-それは君が呼ばれたからだよ
板が答えたのはそれほど不思議に思わなかった。この空間は全てが何かおかしい気がしたからだ。
-ここはどこ?
-ここはエメラルド。ヤマネコ伯爵のお屋敷。・・・元、だけどね
-私は帰れないの?
-帰る?どこへ?
-私が今までいた場所に
-ハッ!馬鹿馬鹿しい。この世界が現実で向こうの世界が偽りだというのに気付かず過ごして幸せのつもりかい?
-・・・・・・どちらが真実なんてどうでもいいの。私は何も変わりたく無い。ずっと同じでいたかったの
-お前は眠りから目覚めたくなくて泣く子供と同じさ。よく目をあけて耳をすませてから物を言いな
生意気な口をきくプレートには罰が必要だわ。
私はプレートをつかむと裏返してやった。
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