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「……言わない…。口に出すのも嫌だから…」
結衣奈は少し顔を険しくしながらそう答えた
よほど酷かったのだろう
そんな様子を見た潤は…
「そっか……。判った」
ほとんど無表情で返事をした
潤には信用、安心出来る人間が限られている…圧倒的に潤にとって信用と安心が出来ない人間の数が多い……
だから、笑ったり、怒ったりの喜怒哀楽といった表情をする事が無い…
「…ご飯……そこにもう作ってあるから…食べて?私はもう大学行くから」
「…………」
潤は静かに頷いた
「じゃあ、行ってきます」
そう言って結衣奈は家を出た
「……………」
潤は結衣奈を見届けた後、一人で食卓についた
いつも潤は朝と昼は必ず一人で食べている
潤が部屋から出てくる頃には結衣奈は学校へ向かうからだ
「………………」
潤はふと、テレビの電源を入れた
放送しているのはニュースばかり……
明るいニュースもあれば当然暗いニュースもある
「……………」
ニュースを見ている時潤は1つのニュースに興味を持った
それは、近所でひったくり、強盗等が相次いでいるという物だった
「………強盗……か……」
近所のニュースだから少しは興味を持ったが直ぐにどうでもよくなった
自分には関係無い……
そう思ったからだ
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