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ある日の午後。
約4名が物凄い勢いで廊下を走り抜けていた。
「まだフィルチ、撒けてないか?」
「それくらい自分で確認してよ。僕達だって結構必死なんだからさ。」
問掛けた黒髪、灰色の瞳の端正な顔立ちの少年は、そう返した鳶色の髪をした少年を心の中でちょっと恨んだ。
「(リーマス…最近ひどくねぇか?(黒笑))」
…恨んだと言うより、憎んだと言った方が合っているかもしれない。
「まぁ…シリウスの問いに答えちゃうとまだ撒けてない…かな?」
二人をものともせずに言ったのは、くしゃくしゃした黒髪と女の子にモテるであろう顔を持った少年だ。
この三人に到っては、全速力で走っているのに涼しい顔をしているのだが、もう一人のくすんだ金髪、ポッチャりめの体型の男の子は、既にゼェハァ言いながら最後尾を一生懸命走っている。
「待ってジェームズ…僕もう、ダメかも…」
「頑張るんだピーター!あともう少しで寮に…」
着くから。
ジェームズと呼ばれた男の子は、チラッとピーターなる少年を見てそう叫ぼうとしたのだが、その声は次の言葉を発する事なく違う言葉となった。
「───っ、危ないっ!!!」
「「え?」」
後ろを向いて走っていたシリウス、リーマスはその言葉に急いで前を向いた。
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