初恋のアナタ

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全てが終わってしまった今、思える事は、たった一つ。

多分ね、私が咲瀬先輩より先に緒方君に出会っていたとしても、きっと、彼は私を好きにならなかった。

きっと、彼は咲瀬先輩を好きになったの。

そして、私は結局、嫉妬して、彼女をめちゃめちゃにして、そんな最低な記憶でいいから、彼の記憶になりたいと願ったの。

なんて、醜く愚かな私。

初恋は上手くいくもんじゃないよ。と、全てが終わった後、ゆきが言っていたけど、やっぱり、上手くいって欲しいと願うのよね、人間って。

それでも、今、私は彼の幸せを願えるだけ成長したみたい。

初恋は、決して甘いものではなかったけれど、彼は私に大切な気持ちを教えてくれたの。

“人を愛する気持ち”。

ありがとう、初恋のアナタ。

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