初恋のアナタ

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  雲一つ無い、綺麗な青空。そこから眩しい程に光を放つ太陽。 照らされる桜の木やアスファルトの地面さえ、全てが輝いているこの季節。──春。 私は桐谷高校の制服に身を包み、高校へ向かう道を周りに男を侍(はべ)らせて歩いていた。 生まれつきの白い肌と遺伝したと思われる整った顔立ち。昔から、何をしなくても自然と男が寄って来た。そのせいで怖い思いをした事もあったけど、今となっては、この容姿をとことん利用している。 私に女の子の友達は居ない。物心ついた頃から、女の子からは憎しみの込められた視線を浴びてきた。 女の子からの汚いヒガミ。 モテてしまった私に、女友達なんか出来るわけ無かった。 「みちるちゃん。今日は入学式の後、どこ行く?」 「俺と遊ぼー。ねっ?」 「いやいや。今日は、おーれっ」 周りの男たちの執拗な誘い。 私と同じ制服の奴も居れば、私服の奴、他校の制服の奴も居る。正直、全員に興味ない。が、全員、関係を持った事がある。 だけど──、 「今日は、そんな気分じゃないの」 と、私は笑顔で全てを断った。 男なんて要らない。 愛してるも、見せかけ。 私は知っている。 男の愛してるなんて、ヤってしまえば消えてしまう事。  
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