初恋のアナタ

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  ──か、神様っ!! そう思いながら、振り返ると、そこに立っていたのは、同じクラスの……、 「…お、緒方君っ!?」 驚いた私がそう言うのと同時に、バサーと抱えていたプリントが床に散らばる。 彼はクスクスと笑いながら、しゃがみ込んで、プリントを拾い始めた。しばらく、呆然と彼を見ていた私も、彼の行動に慌てて、それに倣うようにしゃがみ込む。 「ごめんね…」 「いえいえ。…桜井さんって意外に、そそっかしいんだね」 プリントを拾いながら、彼に謝れば、再びクスクスと笑う声が聞こえて、低めの声が楽しそうに言った。そんな彼に私の心臓は跳びはねて──。 「え、いや。そんな事無いよ。…あと、名前。呼び捨てでいいから…」 「あ、ああ。…桜井?」 名前、しかも苗字を呼ばれただけで顔が火照った。 ──なんだろ。私、おかしい。 プリントを拾いながら、彼の方をちらっと盗み見れば、真剣にプリントを拾う姿が目に飛び込んでくる。 不意に、前に、ゆきが言っていた事を思い出した。  
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