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「やるな、あのガキ。」
「もう…私は知りませんよ。」
呆れ果てた二本ラインの軍人はため重い息をついた。
「安心しろ。俺が何の利益もなしにこんな事させるか?」
「……あのレオンとかいう少年が気になるのですか……?」
「…まぁそんなところだ。さっきアイツの近くで、ほんの僅かだが俺の魔石が反応した。」
魔石は魔力に反応する。
といっても、彼等のように訓練を受ければ魔力をコントロールし、体から無駄な魔力が放出しないようになる。
「まだあの子達は魔力のコントロールがうまくありません。他の子の魔力に反応したのでは?」
「だが、………もしもの話だ……。」
「?」
「あのレオンってガキが既に魔力のコントロールが出来ていたとしたら?」
「……まさか……。」
「まぁ見てろ。ピンチになりゃ本気出すだろ。」
「しかし、これであのレオンとかいう少年があなたの考え通りなら………」
眼帯の男がニヤリと笑う。
「アナタの……"フランシスカ"様以来の天才になります……!」
屋根の上でそんな話をしている間に砂煙も落ち着いた。
地上では離れた所から心配そうにフランツが見守っている。
ようやくレオンを見つけた。
「レオン!!」
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