第一章

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  「やるな、あのガキ。」 「もう…私は知りませんよ。」 呆れ果てた二本ラインの軍人はため重い息をついた。 「安心しろ。俺が何の利益もなしにこんな事させるか?」 「……あのレオンとかいう少年が気になるのですか……?」 「…まぁそんなところだ。さっきアイツの近くで、ほんの僅かだが俺の魔石が反応した。」   魔石は魔力に反応する。 といっても、彼等のように訓練を受ければ魔力をコントロールし、体から無駄な魔力が放出しないようになる。   「まだあの子達は魔力のコントロールがうまくありません。他の子の魔力に反応したのでは?」 「だが、………もしもの話だ……。」 「?」 「あのレオンってガキが既に魔力のコントロールが出来ていたとしたら?」  「……まさか……。」 「まぁ見てろ。ピンチになりゃ本気出すだろ。」 「しかし、これであのレオンとかいう少年があなたの考え通りなら………」   眼帯の男がニヤリと笑う。   「アナタの……"フランシスカ"様以来の天才になります……!」 屋根の上でそんな話をしている間に砂煙も落ち着いた。   地上では離れた所から心配そうにフランツが見守っている。 ようやくレオンを見つけた。 「レオン!!」
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