第一章

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  まわりにいた全ての者が静まり返った。   レオンが魔法を使えると知っていたフランツでさえ、彼の想像を絶する力に驚いていた。   「――…この力は魔物を倒すための力だ。人を傷付けるもんじゃねぇ。頭冷やせ。」 「………くっ…」 エディは手をグっと握りしめ、負けを認めた。   「お~、やっぱりテメェ魔法使えたのか。」 軽々と屋根から降りた眼帯の男がレオンの方へ歩いて来た。 「……アンタのせいで使うハメになった……。」 レオンはため息をついて、眼帯の男を睨んだ。 「魔法のコントロールといい、さっきのといいどこで覚えた?」 「………俺の部屋、屋根裏の物置で、大量の魔法書が置いてあったんで、暇つぶしに読んでて…。」 「…ど…独学であそこまで……!?」 後ろにいた軍人が目を丸くして驚いていた。   それに構わず、話は進む。 「…ほぉ…"屋根裏の倉庫"ねぇ……。ロイス、何故このガキだけそんな部屋に?」   近くにいたロイスは顔が青ざめていた。 今まで散々酷い仕打ちをしてきた子供が神の使いだったのだから。 「…そ…それは……」 「さっきの戦いを見ても、この孤児院じゃあ随分と差別があるようだな。」 「私は…、アナタ方を尊敬しているからこそ、そういった教育を…っ!」 「俺達を尊敬してる?その結果がこれか。ふざけるな!!」
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