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まわりにいた全ての者が静まり返った。
レオンが魔法を使えると知っていたフランツでさえ、彼の想像を絶する力に驚いていた。
「――…この力は魔物を倒すための力だ。人を傷付けるもんじゃねぇ。頭冷やせ。」
「………くっ…」
エディは手をグっと握りしめ、負けを認めた。
「お~、やっぱりテメェ魔法使えたのか。」
軽々と屋根から降りた眼帯の男がレオンの方へ歩いて来た。
「……アンタのせいで使うハメになった……。」
レオンはため息をついて、眼帯の男を睨んだ。
「魔法のコントロールといい、さっきのといいどこで覚えた?」
「………俺の部屋、屋根裏の物置で、大量の魔法書が置いてあったんで、暇つぶしに読んでて…。」
「…ど…独学であそこまで……!?」
後ろにいた軍人が目を丸くして驚いていた。
それに構わず、話は進む。
「…ほぉ…"屋根裏の倉庫"ねぇ……。ロイス、何故このガキだけそんな部屋に?」
近くにいたロイスは顔が青ざめていた。
今まで散々酷い仕打ちをしてきた子供が神の使いだったのだから。
「…そ…それは……」
「さっきの戦いを見ても、この孤児院じゃあ随分と差別があるようだな。」
「私は…、アナタ方を尊敬しているからこそ、そういった教育を…っ!」
「俺達を尊敬してる?その結果がこれか。ふざけるな!!」
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