第一章

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その言葉に、何故か逆らえなくて、レオンは口を開いた。 「……心配なんだ…。俺が居なくなったら、フランツや他の仲間がもっと酷い目に合うんじゃないかって……!俺が守らないと……」 「……レオン……」 フランツは自分がレオンの重荷になっていることが辛かった。 眼帯の男はそれを感じとったのか、ため息をついてから言った。   「……お前は何もわかっちゃいねぇよ。」 「……」 レオンはまた黙り込む。 「ロイスの奴なら反省してる。もう、お前が全部背負う必要はねぇよ。」 「そうだよ、レオン。僕等なら大丈夫だ。もうレオンは自分の為に生きていいんだよ。」 「フランツ……。」 同時に目から涙がこぼれた。   今まで自分が皆を守らなければならないと、気をはっていた。 しかし、もう自分の役目が終わったと悟った彼は、初めて子供らしく泣いて見せた。   きっと、最初で最後かもしれない涙を……―――。
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