13829人が本棚に入れています
本棚に追加
その言葉に、何故か逆らえなくて、レオンは口を開いた。
「……心配なんだ…。俺が居なくなったら、フランツや他の仲間がもっと酷い目に合うんじゃないかって……!俺が守らないと……」
「……レオン……」
フランツは自分がレオンの重荷になっていることが辛かった。
眼帯の男はそれを感じとったのか、ため息をついてから言った。
「……お前は何もわかっちゃいねぇよ。」
「……」
レオンはまた黙り込む。
「ロイスの奴なら反省してる。もう、お前が全部背負う必要はねぇよ。」
「そうだよ、レオン。僕等なら大丈夫だ。もうレオンは自分の為に生きていいんだよ。」
「フランツ……。」
同時に目から涙がこぼれた。
今まで自分が皆を守らなければならないと、気をはっていた。
しかし、もう自分の役目が終わったと悟った彼は、初めて子供らしく泣いて見せた。
きっと、最初で最後かもしれない涙を……―――。
最初のコメントを投稿しよう!