13829人が本棚に入れています
本棚に追加
車が動き出す。
ロイスは一歩も動かず、呆然と立ち尽くしたままだ。
フランツ達は走って追いかける。
"感謝してます。今までお世話になりました。"
ロイスの中でその言葉が何度も繰り返される。
自分はレオンに何をした?
何かしてあげられたのだろうか。
このまま別れては後悔する。
そう思ったロイスはフランツ達のあとに続いて走る。
そして精一杯叫んだ。
「レオン!しっかりやれよー!!お前ならどこへ行っても大丈夫だ!」
どんどん加速する車の窓からレオンは顔をだして、その言葉を聞いた。
「……ロイスさん…。」
思わず涙がこみ上げたが、何とかこらえた。
流石に追いつけなくなり、ロイスと子供達は足をとめた。
皆息を切らしている。
そんな中ロイスがみんなに声をかけた。
「……さぁ帰ろう。」
優しい笑みに皆安堵した。
「「はい!」」
ロイスも子供達も、ここから再スタートするのだ。
最初のコメントを投稿しよう!