13829人が本棚に入れています
本棚に追加
中に入るとそこは広いには広いが埃っぽくて薄暗く、木の箱が無造作に詰まれていた。
今まで見てきた各部隊の部屋とは大違いで、ここには何らかの資料や机も椅子もない。
そしてそこにはざっと見て20人くらいの人間がいて、談笑したりトレーニングをしたりと各々過ごしていた。
しかし、レオンが入って来た途端に皆静まり返った。
「……あの…」
レオンが何か言わねばと口を開いた時、木箱の一番高い所に座っていた男がそこから軽々と飛び降りて、ゆっくりとこちらに歩いてきた。
レオンは思わず後退りしたが、彼はレオンではなくその隣にいた少女の肩をガッシリと掴んだ。
「"ノア"…、これはどういうことだ……」
男の手は震えており、怒っているようにも見えた。
レオンは"ノア"と呼ばれた少女が心配になったが、それとは裏腹に周りのものはニヤニヤと笑っていた。
「俺はなぁ!お前を男を"お持ち帰り"するようなふしだらな子に育てた覚えはなーい!!!!!!!!!」
「……………………………………………………………はい!?」
レオンは訳が分からず、目を丸くした。
「はぁ、………ばっかみたい」
ノアは鬱陶しそうにため息をついた。
「ぶはははは!」
「あいつ馬鹿だ~!」
「てか明らかにそんな雰囲気じゃねーだろ!!」
さっきの静けさが嘘のように周りの者が笑い出した。
だが、笑われている本人は至って真面目だった。
「テメェ!よくもノアをたぶらかしやがったな!?」
「え!?ちょ……」
男は突然レオンに殴りかかってきた。
が、しかし何者かが横からその手を掴んだ。
最初のコメントを投稿しよう!