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――――……
「…麻薬売買………、左腕を切り落とされた…軍人…」
ノアの話しに出てきた二人の少年とは恐らくベルナルドとバリーの事だ。
彼らも自分と同じく理不尽な理由で罪に問われた人間だったのだ。
「確かにあそこに居るのは元罪人ばかりだけど…、全員が全員悪い人じゃない」
「………」
口をつぐんだままのレオンにノアは言った。
「第零部隊を嫌うのは…、あの人達一人ひとりとちゃんと向き合ってからでもいいんじゃない?」
「……そう…かもな」
ノアの言葉はレオンの心にすっと入ってきて、不思議と足が再び第零部隊の拠点へと動き始めた。
「……ありがとう。ノア」
「別に。ベルナルドに頼まれて来ただけだし」
「……。もうちょっと愛想良くしたら?」
せっかくお礼を言ったのに余りに素っ気ない態度で、レオンは思わず苦笑いを浮かべた。
「君と違って良い子ぶるのは苦手だから」
「はぁ!?俺のどこが良い子ぶってるって!?」
「ほら、本性」
「ったく…、お前なぁ!!」
その後も道中二人の言い合いは続いた。
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