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緑に囲まれた田舎の村に小さな孤児院があった。
そこで物心ついた頃から生活をしているレオン・ルビルトは今年で12歳になった。
この孤児院には魔法を使える子供が沢山おり、毎年12歳になる子供をマリアの軍人が引き取りに来る。
―…ある日のこと
「テメー等なんの力もないクセに、俺達に逆らうのか!?」
また始まった…。
いつもの事だ。
魔法が使える者は魔法が使えない者を馬鹿にする。
ひどいときは魔法を使って脅す。
レオンはそれが許せなかった。
今日は、複数の者がよってたかって一人の子供をいじめていた。
大抵の理由は、"魔法も使えないくせに偉そう"だから。
まわりの子供は助けたくても自分もそうなるのがこわくて近寄れない。
そんな中、レオンは堂々と近づいてリーダーらしき人物を一発殴った。
「うっ…!!」
「ムカつくんだよ。自分より弱い奴いじめて楽しいか?」
レオンの赤を秘めた黒い瞳がギラリと光る。
「な……!レオン…っ!!」
殴られた子供は最初は泣きそうになっていたがレオンの後ろにいる人影に気づき、ニヤリと口を歪めた。
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