第一章

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この孤児院では、魔法が使えない者は、魔法が使える者にペコペコ頭を下げている。   それが当たり前なのだ。   "選ばれし神の使い"なのだから。   「今日は飯抜きだ!部屋で反省しろ!!」 「……チッ……!」 レオンは渋々言うことを聞いた。 逆らうとまた殴られるからだ。   部屋といってもホコリだらけの屋根裏だ。 レオンはしばしばケンカをするので、ロイスが仕置きとしてベッドもない暗いこの部屋を使わせている。   しばらく部屋で大人しくしているとコンコンと部屋をノックする音がした。 「誰だ?」 レオンがドアを開けると、さっきいじめられていた子供や、まわりで怯えていた……魔法が使えない子供達がパンと水を持ってきてくれた。 ロイスにバレないようにここまで持ってくるのは大変なことなのをレオンは知っているので、素直に感謝した。
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