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「…さっきはありがとな、レオン。殴られたところ、すごい腫れてる…。ごめんな。」
「いいって。それよりフランツ、奴らにやられた怪我大丈夫かよ。」
「こんなの平気だよ!」
いじめられていた少年はフランツといい、同い年で小さな頃から仲がいい。
ここにいる子供達はみんな魔法が使えず、よく理不尽ないじめにあう。
レオンはいつもいじめがあると、助けにはいるため、みんなから兄のように慕われている。
「でも、ロイスさんも酷いよな。レオンだけこんな汚い屋根裏部屋で……服だってボロボロだ。」
「…………。」
暫く沈黙になり、フランツは何か決心したような表情で急に身を乗り出し、真剣な顔になる。
「明日マリアの軍人がここに来る。レオン、お前も行くんだ。そうすればお前は…」
「……フランツ…何を…い「僕が気付いていないとでも思ってた?」
レオンの声を遮ったフランツの表情から、レオンは彼の言いたい事を理解した。
「………知ってたのか……」
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