第一章

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レオンとフランツは真剣な顔で睨むように見つめ合った。   「お前も…魔法の力を授かったんだろ?」 他の子供たちは驚いて言葉を失った。   バレたか、というような表情で苦笑いするレオンは、驚いている年下の子供達を見た。   「でも俺は行かない。お前たちが心配だしな。」 レオンは魔法の力を授かった身でありながら、ずっと偽ってきた。 全ては今ここにいる"家族"のため。 軍人となれば、ここから出て行かなければならない。 レオンはそれが嫌だった。     「……けんな…。」 フランツが下を向いて何か言った。 「?」 そしてフランツは突然顔を上げた。 「ふざけんな!!!!」 フランツは顔を真っ赤にして、怒鳴った。 「僕達はお前に守って貰わなくても生きていける!ありがた迷惑なんだよ!!」
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