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会社はなくなったわけではなかった。
まだどうなるかわからないけど、“更生法”なので、立ち直るらしい。
外資系金融グループに身売りする方向で打診している――そんなことをニュースで言っていた。
もっと専門用語を連ね、全然大丈夫そうなことを言っていたけど。
ミもフタもない言い方をすれば、一定の役職以上のじーさんと、一定年齢以上のオッサンの首を切って、若いのだけで身売りをするわけである。
ついでに、契約者の保険金やら給付金やらも、「少し減らしちゃいます、ごめんなさい」。
結局、うちの直前に破綻した、協栄生命と千代田生命と同じことになるわけね。
協栄はアメリカのプルデンシャルに買われ、千代田はやっぱりアメリカの巨大金融グループAIGに買われた。
なんで破綻した会社を買うかっていえば、日本参入のよい足掛かりというわけなのだ。
安く日本の企業を買いたたくのだから、体のいい乗っ取りだと、私は思ってるけど。
不良債権は、更生特例法でなくなるらしいし。
なくなるっていうのがどういうことか、あんまりわかってないし……
正直、あんまり考えたくない。
なんか破綻の原因が自分にあるみたいな気になるから。
関係ないのはわかってるんだけど。
報道では、アメリカの金融グループとドイツの保険グループの名前が出ていた。
日経新聞には、もう一つ国内最大手の自動車メーカーも挙がっていた。
そういう情報も、全部報道から。
ニュースでよく見る「テレビで知って驚いています」というコメントは、本当だったのだ。
現実って……
ねぇ……
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