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その理由には、すぐに思い当たった。
昨日が休日だったからだ。
問い合わせるにしても、丸ノ内生命そのものが休みだし、私達に連絡してみたところで埒が明かない。
契約者のほうでも、大学を出たばかりの小娘集団だと、しっかり理解しているのだ。
……自分で言って、情けなくなってきた……。
昨日が営業日なら、それでも電話が来ただろう。
祝日はいいクッションだったみたいだ。
情けないけど、救われたと思っておこう。
うん。
さて。
電話するか。
……。
……。
……。
「間瀬、かけろ」
鬼頭チーフ、スルドイです。
受話器に手が出ないことがバレるとは。
と思いきや。
「伊藤、お前もさっさとかけろ。お前らが動かんと、二期生が怖がって動けんが」
なるほど、4人ともが電話を睨んでいたわけですな。
なんだか知らないが、電話機は各自(各デスク)に一つずつあって。
それをそれぞれ睨んでいる姿は、チーフから見たら変でしょうよ。
でも、怖いんだもん……。
「チーフ、変わってください」
「俺は俺であるっつーの。名簿の上からかけて、マニュアルを読めばいいんだよ」
「はい……」
しかたなく受話器をとり、電話番号をプッシュして、マニュアルを引き寄せた。
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