卒業式

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
卒業式が終わり、生徒達が校庭に出ていく。私は、真美と校庭に向かう。 啓太は・・・?啓太の姿を探す。 いた。友達達とはしゃいでる。 校庭には、満開の桜の花びらが風に舞っている。 啓太が、どんどん離れていく。 三日前。告白するチャンスはあったんだ。 啓太と私。二人きりの教室。何げないいつもの会話。 「啓太、いつ東京行くの?」 「あぁ。卒業式終わって、次の日だよ。」 「東京の大学って、どんなんだろうね。楽しみだね。」 「おぉ。どんなんだろ。初めての一人暮らしだし、不安もあるけどな。」 啓太、好き。すっごく、好き。 今まで口にしてないこと。今、今言わなきゃ、もう・・・。 私は、思いきって、「啓太、あの・・・。」 ピピピピピ、ピピピピピ・・・。 啓太の携帯が鳴った。「もしもし。」話ながら、歩き出し、教室を出ていく啓太。 あ・・・。 そして、今日、卒業式。あの時が、最後のチャンスだったんだ。 ちょっと変だけど、啓太の後、追いかけて、電話終わるの待って。 「啓太のこと、好きなの!ずっと好きだったの!」って。 言うべきだった。 でも、でも・・・。 言えなかった。 桜舞う校庭を、友達とふざけあって歩いていく啓太。 さよなら。さよなら、啓太。 私は、思いを伝えられない意気地なし。 その笑顔を見るのも、今日で最後。 友達のまま、さよなら・・・。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!