市川朝子について。

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「あたしは何度も朝子に助けられたのに、あたしは何もできなかったわ」 屋上の端っこで海風を受けながら、弥亜子は苦々しく言った。どこかで自分を責めているようでもあった。そんな朝子に栄未は小さな声で言った。 「…京ちゃんには、ずっと朝子さんがいたんだね」 「には、って?」 「あたしは京ちゃんに出会って、初めて大切って気持ちが分かったの。…でも、京ちゃんはずっと昔から知ってた」
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