存在

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私の学校には、6月のある日の6時間目にミューフェスという学校で活躍するバンドが演奏する行事がある。 実力No.1バンドに所属しているshyは毎年出演している行事。   『自由席』   毎日の礼拝は指定席なのに対し自由席のミューフェスは私にとっては酷なものになった。    グループの子達といつも通りに適当に講堂に入って、みんなの隣りの座席に着こうとすると…   『あちゃこの席、ないから。』   グループの子の隣りに座るのを拒否られた私は、それでも一生懸命みんなの近くに座ろうとしたのにみんなは笑いながら席を埋めた。   結局 私の隣りには感想を言う友達も、おしゃべりする友達もいなくて、ハブられたその事実が悲しくて、全く楽しくなかった。   斜め後ろで友達と笑うクマに、自分の姿を見られたくなくて…怖くて震えていた。   早く部活に行きたかった。その場から逃げ出して部員のみんなの笑顔が見たかった。       それでもその日、いつもの部員の冗談が、笑いのノリの言葉が私には突き刺さり、なんか耐えられなくなってめずらしく部活を早退した。
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