存在

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もうやめたい。 学校なんか行きたくない。 部活なんかやめてやる。 私が死んだら誰が悲しんでくれるのかな。ハブって笑ってたこと後悔してくれるかな。   それから次の日、その次の日、と私は5日間学校を休んだ。 海を見に行きたい気分だった。 カッターを手首に当てては切る勇気のない自分が嫌になった。 ドロドロした気分だった。   お母さんに頼んで水族館に連れて行ってもらった。 荒んだ気分の中でも、アシカやイルカのショーや色とりどりの魚やペンギンたちが必死で泳いでる姿はキレイでかわいくて、私より立派に一生懸命生きている姿に感動した。     私は暗くて音のない部屋に一人でいるのが怖い。だから時々お母さんのベットに潜り込む。   その5日間も、夜中はほとんどお母さんの部屋で過ごした。     6日目、精一杯の勇気を持って学校に行った。   『軽く登校拒否ってた。』   学校に行けた日、部長が私のその言葉を聞いて真剣に心配してくれたのが本当に嬉しかった。image=64734708.jpg
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