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卒業式の日に行われた3年B組お別れ会から 約一か月たったあの日、一か月ぶりに会う友達と、これから一年一緒に過ごすクラス編成にドキドキしながら向かった高校校舎。   知らない人の顔とよく知ってるたくさんの顔を迎えてくれた桜の木は世の中より少し遅く満開を迎え、祝福してくれているみたいだった。   一か月前にも聞いた校長先生の長い挨拶の後、教室に行った あの瞬間から私の高校一年生の生活が始まった。    中学ではクラスの中で上手く人と絡めなくて一人だった私が初めて友達と中庭で食事した。名前で呼び合ってアド交換した。 心から笑えた。 『楽しい一年になりそう。』 そう思ったのはこの日だけ。     裏切り。   中1と同じだった。私の周りに出来た外部生の友達は内部生の流した噂のせいで次の日から私への呼び名を変えた。   『服部さん』   絶望的な気分だった。目の前が暗くなったような、色だった。これから過ごす高校生活がただ真っ暗に見えた。  
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