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「俺5組だった。」
HR205の生活はクマのあの一言から始まったんだ…。
一年の終業式の日は成績渡しの後に教科書販売、部室掃除した後 部活というハードスケジュール。
本当はめんどくさい教科書販売の列も、大興奮の一年生でうるさく会話が交わされていた。
成績と一緒に発表されたクラス替え、2・3年と同じクラスの私達にとってはどんなメンバーがいるのかが大切なこと。
クマと私も同じだった。
クマとは同じ部活になって以来なんでも話せる友達だった。家が近いから部活の後はよく二人で近くの駅まで帰った。
恋をするごとに報告していた。冬に私が長い長い片想いを始めるまでは。
隣りのクラスだったクマと廊下で会った瞬間、二人同時に切り出した会話。
他のどこでも繰り返されている会話。
「何組になった?」
しばらく間が開いてからクマが先に口を開いた。
「俺5組だった。」
心臓が止まるかと思った。何日も前から本当はずっと考えていたことが叶った瞬間。
『好きな人と同じクラスになってずっと側にいたい。』
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