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助けて、助けてっ
どうしてこんな時に限って誰もいないんだろう。
僕は運動音痴って訳じゃないけど、そんなに足が早い訳じゃない。
ちらっと後ろを見る。ああ、追い掛けて来ている。今はまだ距離があるけど…もう一度後ろを見ると、さっきよりも近づいて来ている。
このままじゃ捕まっちゃうっ
ああ、誰か。誰か、誰かっ
あっあそこの角を曲がったら、確か校舎が見えるはず。そしたら誰か、きっといるはず。
「た、助けてっ」
角を曲がると直ぐそこには人がいて、止まろうと思っても直ぐには止まらなくて、ついには衝突してしまった。
幸いかいなか、ぶつかってしまった彼は体が大きく、僕は弾き飛ばされてしまった。尻餅をついて、尻をさすって痛みを和らげていると、さっきの奴が追い付いてしまっていた。
「ようやく追い付いた。急に逃げるなんて酷いじゃないか。」
あんな事があった上追い掛けられ、すっかり怯えてしまっていた。
ついでに腰も抜けてしまい、尻餅をついたまま後退り。けれど、そいつは更に詰め寄ってくる。
「ね。どうせ、今までだってこんなことあったんだろ?だったら良いじゃん‥」
嫌、嫌だ…止めて、来ないでっ
「嫌がってるじゃないっすか。」
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