ATTACK00

7/9
前へ
/23ページ
次へ
彼が出ていってから、どれくらい僕は扉を見続けていたんだろう。 胸がムズムズする。彼に初めて会ったあの時から。 今も、ムズムズが止まらない。 何でこんな気持ちになるんだろう。 小さく溜息をつきながら、視線を手元に移す。 すると突然こっちに向かってくる足音が聞こえたと思ったら、思いきり扉が開いた。 「将太郎っ」 そこには、血相変えた幼なじみの今村賢司の姿が。 「わぁっびっくりしたぁ‥どうしたの?」 「どうしたの、じゃねぇよ。はぁ…でもまぁ、起きあがってても平気なくらいなら大丈夫か。」 賢司はそう言い、疲れた様子でベッドに腰掛ける。 賢司とは、家が隣同士で生まれた時からほとんど一緒に育った。だから、兄弟みたいなもの。 悩み事とかあっても、いつも賢司に相談してた。その度、適切なアドバイスしてもらってる。 もしかしたら‥胸のムズムズの原因も分かるかもしれない。 「あのねっ…て、何煙草なんか吸ってるんだよーっ」 ずっと俯いて考え込んでいたから気付かなかったけど、賢司のやつ、堂々と煙草なんてふかしていた。 「んだよ、今までずっと会議で吸えなかったんだよ。」 煙草をくわえたまま、換気の為に窓を全開にさせる。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

149人が本棚に入れています
本棚に追加