【理に告げたのは嘘と愛】

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【 浸 花】 現に惑い 筋を絶つ 報われざりし 逝く命を見て 流す 涙 河となる 遥か愁いで 霞む永劫 地に 根付いた 腫は絶えず 口角 歪め 生を穢す 汚泥に染まる 哀しき子 此処までおいで 手の鳴る方へ 赤い河の辺 此処までおいで 手の鳴る方へ 私の傍においで 苦しいのなら 縋りなさい 悲しいのなら 泣きなさい 嬉しいことは ほら笑んで 私の愛しき子よ 果ては そっと彼の地で 巡り廻るまま 花咲き乱れる 季節が来れば 再び… 現に惑い 筋を絶つ 報われざりし 逝く命を見て 流す 涙 繰り返す
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