風の郵便局

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先輩の邪魔にならないよう、注意しながらパルは進みます。 先輩たちの風に巻き込まれてしまったら、パルなんて、ひとたまりもありませんものね。 「ぼくたちを食べるやつが、あまりいないところがいいな」 とコグモが言います。 「きれいな花がたくさんあって、雨があまり降らなくて、水がきれいなところがいいな」 時折、空を飛ぶ鳥が、コグモを狙ってやってきます。 パルは何とか、それをかわしてコグモを運び続けます。 「水がきれいで、花がたくさん咲いているところを知っているけど」 と、パルはコグモに話しかけました。 「そういうところには、君を食べようとするやつらがたくさんいるよ」 パルの言葉を聞き、コグモは、「そうかもしれないねえ」とだけ言いました。
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