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― そうだわ、
男の子が二人いたわよね。
― 知ってるわ、可愛い子でしょ
― 本当に惨いわ
圭は動悸が治まらずに
激しい痛みを顳みに感じながら
主婦達の言葉に我に帰る。
(そうだ…あいつ)
圭は燃え尽きて黒い煙りを起てている家だった物の住人を知っていた。
四人家族で旦那さんも奥さんも人柄が良く、長男は16歳、次男はまだ14歳だったか。
圭も近所と言う事もあり
自分が休みの時は近くの広場でキャッチボールの相手をする等親しくしていた。
屈託のない笑顔を覚えている
(……………)
まさか、こんな日が来るなんて
思ってもいなかった。
原因などどうでもよかった
ただ目の前の事実に思考が追い付いていかない具合の悪さに酔い始めている。
圭はショックを拭い去れぬ侭
野次馬達を縫って来た道を引き返した。
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