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途中、他にも色々な化け物に襲われながら(そのたびにラウールが守ってくれたけど)、辿り着いたお城は大きかった。
お城まで続く城下町の道を歩いていると、道行く人たちが皆お辞儀をしていく。
「ラウール様だ」
「赤の魔術師、ラウール様よ」
「いつ見てもカッコイイこと」
若い女の人、おばさん、おばあさん、男の人まで、笑顔でラウールを見てる。
…人気者みたい。
城門の前に立つと、ラウールが高らかに声を上げた。
「ガグナール国、赤の魔術師、ラウール=オーウェン、異世界の少女を連れ、今戻りました!」
ギギギ…と、城門がゆっくりと音を立てて下りてくる。
すごい、すごすぎる!
「よく戻った、ラウール。
そしてようこそ、異界の乙女よ」
出て来たのは、純白の衣をまとった、ナイスバディの女の人だった。
長いブロンドの髪、象牙のような肌。衣からのぞく胸元と足。
ティアラなんか足元にも及ばないような碧い宝石のような瞳。
この人が、ガグナール国の若き女王。ミラ・ラ=マイラだった。
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