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「お嬢ちゃん……隣、いいかい?」
帽子を被った身体の大きなおじさんだった。
「あっ、どうぞ」
といっても、この車両には他の人は誰もいない。
でもセクハラでもなんでもない。
だって、妖怪や幽霊は悪戯が好きな子は多くても、本当に殺したりする子はほんの一部。
人間にセクハラなんか考える妖怪なんて、さらにほんの一部なんだから……。
「お嬢ちゃんは……人間かい?」
「はい。人間はお嫌いですか?」
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