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「ねぇ美幸しってる?」
「何を?」
「また橘高校の生徒が殺されたって話」
「…知ってるよ」
知ってるに決まってる…。
絶対私にもまわってくる。いつか私も殺られる…。
だって私も…加害者だから。
私、斉藤美幸。高校1年生。
殺人ゲームの参加者なんだ…いつ狙われるかわからない…。
毎日が恐怖でいっぱいだ。
殺人ゲームが始まったのは1ヶ月前…
「まじキモいよ。」
「ありえねぇ。自分のうんこ食べてるし。」
バキッ!
『痛い…助けて…』
…怖いよ。止めようよ。かわいそうだよ…
思っていても言えない。自分がいじめられるのは…絶対いやだ。
「美幸も言ってやんなよ。コイツ豚だから何言っても分からないよ。昔の友達なんでしょもう昔は捨てなよ」
「…あ…」
皆の冷たい視線。
床にへばりつくターゲット。
彼女は田中三依。
口からは沢山の赤い血がにじみでていてきっと折れているへしまがった腕…。
吐き気がする。
「早く言いなってば。」
『美幸…美幸…助けて…』
三依…私三依を助けたい。でも…三依みたいにボコされたくない。
「裏切るの?美幸?」
ドクン…ドクン…
「三依なんか友達じゃない!気持ち悪いよ!死んじゃえッ!」
『う…うぅ…』
泣きだす三依を見て笑う皆。
私…なんて弱いんだろ。
次の日、学校のベランダで首を吊って三依は死んでいた。
遺書には
『殺人ゲームの始まりだよ…最後は必ず斉藤美幸だ』
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